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中田英寿現役引退表明...最初に彼のプレーをちゃんと見たのは1995年のワールド・ユースでの試合だっただろうか...決勝トーナメントに進むも準々決勝でブラジルにコテンパンにやられた記憶がある。ただ中田は学年的には2つ下にもかかわらずレギュラーで、既にキレのあるプレーを見せて試合をコントロールしていた。こんなヤツが日本にも出てくるようになったか...これから日本はどんどん強くなって行くだろうな、そんな予感を感じさせる活躍だった。その後のアトランタ五輪アジア予選・五輪本戦でも活躍したが、当時は司令塔というよりどちらかというとウイングかフォワード的な使われ方が多かったような気がする。
ジーコジャパンにはジーコが監督に就任した時から全く期待していなかったが、かすかな望みはあった。それはもしかしたら彼なら中田をフォワードとしてうまく使いこなすかもしれないという...日本には優秀なパサーは多い、しかしどこからでもシュートを狙えて更に正確に打てるフォワードはいない。いや、実は一人だけ小倉隆史という選手がいたのだが、度重なる怪我とお粗末な治療で本来の活躍ができないまま選手生命を既に終えている。私は小倉の代わりは中田しかいないと思っていた。結局その望みはかなうことなく、見事に私の”期待”通りの結果でジーコは日本を去った。 中田はスルーパス、キラーパスが代名詞のように言われているが、彼のシュート力(いわゆる”決定力”ではなくて)の強さは抜きん出ていた。ジョホールバルでワールドカップ出場を決めたミドルシュート(最終的に決めたのは野人岡野だけど)、セリエAデビュー戦での衝撃的な2得点。ローマのスクデット獲得をほぼ決めたユヴェントス戦での豪快なゴールとアシスト。キーパーの予測しないタイミング、正確に枠の中を捉えるボールコントロール、そしてキャッチしづらいほどの球の強さ。その3つを兼ね備えたシュートを打てる数少ない選手だった。 セリエAに移籍して1年間で1点も取れなかったフォワードと、デビュー戦の2ゴールも含めて10点取ったミッドフィルダーとではどっちがジャパンのストライカーとしてふさわしいのか、そんな簡単なことにトルシエもジーコも他の誰も気が付かなかった。やがて中田の代表での存在意義は別の部分に集約されていく...そして中田はゴール前に顔を出しにくいポジションに落ち着き、真の得点力のある選手がいなくなった。それだけの単純なことだったような気がする。 小倉が出て、中田が来て、そこまでは良かったがそれ以降まったく続かなかった。ある意味中田がいれば安心みたいな部分はなかったか?彼一人に日本のサッカーのすべてを背負わせてたようなところはなかったか?もっと若い世代から発掘していこう、第二の中田を育てていこうという明確で強い意思はあったのか?今現在まぎれもなく日本で最高のプレーヤーである中田がヨーロッパのトップレベルでは通用しなくなっている現状で、本気でワールドカップで勝てると思っていたのか? 次の中田クラスの選手が出てくるのに少なくともあと5年はかかるだろう。その選手が(できれば複数であって欲しいが...)海外で経験を積み、代表に招集され、W杯やヨーロッパのトップリーグで十分経験のある監督の元で揉まれた時、ようやく世界と対等に戦えるような気がする。
by benebello55
| 2006-07-04 03:47
| カルチョ(蹴球)
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